こんにちは。
東海市加木屋町のみやしまデンタルクリニックの宮島です。
今回は、歯周病が悪化する原因について記事にいたします。
以前の記事「歯周病とはどのような病気でしょうか」https://www.miyashima-dental.com/content/49/
でも少し触れましたが、それをもう少し詳しくご説明いたします。
歯周病は、歯周病菌によって引き起こされる歯茎の腫れや歯を支える骨が溶けてしまう病気です。
歯周組織(歯の周りの歯肉など)と細菌の集合体(プラーク=バイオフィルム=歯垢)の共生関係が崩れたときに、歯周病は発症や再発をします。
歯周病を悪化させる原因は、
細菌因子/環境因子/宿主因子に外傷性因子(強すぎる噛む力)が合わさることです。
それぞれご説明していきます。
<細菌因子>
歯周病原細菌による歯肉からの出血は、歯周病の重要なサインの一つです。
また、歯石は細菌によって作られます。歯石の表面はザラザラしていて細菌(プラーク)が付きやすくなります。
日々の歯磨きでプラークを残さないようにすることはとても大切です。ブラッシングのチェックと歯石を取ることを歯科医院で歯科衛生士さんと一緒に行いましょう。
<環境因子>
疲れなどで歯肉が腫れたことはありませんでしょうか?
細菌の活動と免疫のバランスが崩れたときに歯周病も進行します。
免疫を弱める要因に、睡眠不足や栄養不足、喫煙、ストレスなどがあります。
正しい知識やおひとりお一人に合った健康的な生活をサポートいたします。
<宿主因子>
少し聞き慣れない言葉かもしれませんが、その方のお体の状態でも歯周病が進行しやすいことがあります。
ご家族で歯周病になっている方がいらっしゃる場合、お口の中の細菌も同じような種類になることがあります。
また、食習慣や生活習慣も似てくるため広い意味で遺伝するといえます。
一般的に歯周病は40歳以上の方に発症することが多いですが、最近では20歳前後で歯周病菌が感染・定着するといわれています。
20代や30代の若年者でも歯周病によって歯を支えている骨が溶けてしまう方もいますので、若いから大丈夫と考えずに歯科医院での検査をおすすめします。
その他、歯並びや口呼吸などは歯周病を悪化させる要因です。
糖尿病は、歯周病を悪化させることがわかっています。また、関節リウマチ、脂質異常症、高血圧、慢性腎臓病も歯周病を悪化させる可能性があるため、歯科医院での定期的なメンテナンスは重要だと考えています。
<外傷性因子>
しっかり噛んで食べることは大切なことです。しかし、必要以上に強い力で噛んでいる場合、噛み締め癖で歯と歯が合わさっている時間が長い場合、歯並びや歯が無くなったことで少ない歯に力が集中する場合は注意が必要です。
強すぎる力が歯に加わると、歯の周りに炎症が起こり骨の吸収が進んでしまいます。
日中の噛み締め癖の改善や夜間のナイトガードの使用、歯列矯正、歯が無くなった場合はそのままにせずに歯科治療を行うことが大切です。
歯周病が悪化する原因を図にまとめるとこのようになります。
歯磨きはとても大切ですが、それ以外にも歯周病予防には大切なことがあります。
ぜひ一度歯医者さんでご自身の歯周病リスクを調べてみてください。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
参考文献
続・日本人はこうして歯を失っていく 専門医が教える全身の健康につながる歯周病予防 日本歯周病学会 / 日本臨床歯周病学会