こんにちは。
東海市加木屋町に新規開院しました「みやしまデンタルクリニック」の宮島です。
歯科医院の近くには名鉄河和線・加木屋中ノ池駅が開業し色々な商業施設もオープンしています。
さてフッ化物配合歯磨き粉については以前、
「フッ化物入の歯磨きペーストを正しく使えていますか?」https://www.miyashima-dental.com/content/160/
にて触れました。
この度、2023年1月1日に日本口腔衛生学会、日本小児歯科学会、日本歯科保存学会、日本老年歯科学会が連名で4学会合同のフッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法が発表されました。
今回はその発表についてお伝えしたいと思います。
①歯が生えてから2歳まで
フッ化物濃度:900~1000ppmF 使用量:1~2ミリの米粒程度
・就寝前を含めて1日2回の歯磨き
・歯磨きの後にティッシュなどで歯磨剤を軽く拭き取っても良い
・歯磨剤は子どもの手の届かないところに保管する
・歯磨きについて専門家のアドバイスを受ける
②3~5歳
フッ化物濃度:900~1000ppmF 使用量:5ミリ程度(グリーンピース程度)
・就寝前を含めて1日2回の歯磨き
・歯みがきの後は、歯磨剤を軽くはき出す。うがいをする場合は少量(ペットボトルの蓋1杯分程度)の水で1回
・子どもが適切な量をつけられない際は、保護者が歯磨剤を出す。
③6歳~成人・高齢者
フッ化物濃度:1400~1500ppmF 使用量:1.5~2センチ程度(歯ブラシ全体)
・就寝前を含めて1日2回の歯磨き
・歯みがきの後は、歯磨剤を軽くはき出す。うがいをする場合は少量(ペットボトルの蓋1杯分程度)の水で1回
・インプラントが使用されていても、歯がある場合はフッ化物配合歯磨剤を使用する。
補足
・乳歯が生え始めたら、ガーゼやコットンを使っておロのケアの練習を始める。歯ブラシに慣れてきたら、歯ブラ
シを用いた保護者による歯みがきを開始する。
・子どもが誤って歯磨剤のチューブごと食べるなど大量に飲み込まないように置き場所に注意する。
・歯肉退縮により、根面う蝕の予防が必要な成人には5000ppmFの歯磨剤のう蝕抑制効果が認められている。現在日本では市販さ
れていないため認可されることが望まれます。
・要介護者で嚥下障害を認める場合、ブラッシング時に唾液や歯磨剤を誤嚥する可能性もあるので、ガーゼ等による吸水や吸引器を併用するのもよい。また,歯磨剤のために食渣等の視認性が低下するような場合は、除去してからブラッシングを行う。またブラッシングの回数も状況に応じて考慮する。
・水道水フロリデーションなどの全身応用が利用できない日本では、歯磨剤に加えフッ化物洗口や塗布の組合せも重要である。
いかがでしたでしょうか。
今回の発表のポイントは、低年齢児でもフッ化物濃度が1000ppmFになったことと、小学生になったら成人と同じ1500ppmの使用が推奨されているところです。
フッ化物の使用は有意にむし歯予防効果があります。
この機会に、ご自身やご家族の使われている歯磨き粉の成分や使用方法について確認していただけたら幸いです。
東海市加木屋町の歯医者さんの「みやしまデンタルクリニック」では、味や成分や泡立ちにこだわった歯磨き粉やおひとりお一人にオススメのセルフケアグッズをご紹介しています。
どうぞよろしくお願いします。
参考文献:4学会合同のフッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法 https://www.kokuhoken.or.jp/jsdh/news/2023/news_230106.pdf