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糖尿病と歯周病の関係について

こんにちは。
東海市加木屋町の歯科医院、「みやしまデンタルクリニック」の宮島です。

今回は、歯周病と糖尿病の関係について記事にしていきます。
一見、お口の病気の歯周病と体の病気の糖尿病は関係が無さそうですが、実は関連があります。

この記事をぜひ最後まで読んでいただき、歯医者さんで歯周病やむし歯のチェックや治療を受けていただくきっかけになれば幸いです。

目次
1.糖尿病とは
2.なぜ糖尿病が歯周病を悪化させるのか
3.歯周病が糖尿病を悪化させる可能性がある
4.まとめ:歯周病や虫歯の予防が糖尿病を始めとした全身の健康に関与する

という内容でご紹介していきます。

1.糖尿病とは

糖尿病は、血液中のグルコースの濃度を調整する働きのあるインスリンの量や働きが低下するために慢性的に血糖値が高い状態が続く疾患です。

糖尿病は大きく分けて、1型糖尿病と2型糖尿病に分けられます。
2型糖尿病は遺伝に加えて運動不足や栄養の偏った食生活、加齢、肥満、ストレス、喫煙などが関与しています。
糖尿病になると、抹消の毛細血管が弱くなります。その結果、血流の悪化や細菌と戦う白血球の機能が低下します。

具体的な症状として、
①糖尿病性網膜症(進行すると失明の原因)
②糖尿病性腎症(進行すると人工透析の可能性)
③糖尿病性神経障害(抹消のしびれなど)
が三大合併症といわれています。
その他に、免疫の低下により感染症にかかりやすかったり、動脈硬化から心筋梗塞や脳梗塞といった大きな病気にかかりやすくなります。

また、歯科との関わりでは2型糖尿病の方は、歯周病に約2.6倍かかりやすくなるというデータがあります。
糖尿病の方は歯周病の進行も早くなり、2018年6月にアメリカ歯周病学会(AAP)・ヨーロッパ歯周病連盟(EFP)より公表された歯周病の新分類には、歯周病の進行速度に関わる項目に糖尿病と喫煙が明記されています。
歯周病は糖尿病の第6の合併症と言われています。

2型糖尿病は、生活習慣病の一つでQOL(生活の質)に大きく関わる病気で日本人の中でも増加傾向にあります。

2.なぜ糖尿病が歯周病を悪化させるのか

歯周病は、歯周病原細菌が引き起こす炎症により、歯肉や歯を支える歯槽骨に破壊が起こる病気です。
糖尿病で毛細血管が脆弱になると、歯肉への血流が少なくなり、創傷の治癒不全や白血球の作用が低下します。
また、唾液量が減るので唾液中の抗菌成分も少なくなります。

結果として、傷の治りが遅くなったり感染しやすい状態となり、歯肉の炎症と歯を支える歯槽骨の急速な破壊が起こります。

3.歯周病が糖尿病を悪化させる可能性がある

歯周病が重症化すると、血糖値のコントロールが悪くなります。
反対に、糖尿病の患者さんが歯周病の治療をすると血糖値のコントロールが良くなると考えられています。

理由は、歯周病菌の感染に反応した免疫細胞が出す炎症性サイトカインが、血糖値を下げる働きのあるインスリンの働きを悪くするために、歯周病が重症の方インスリンの働きが弱くなります。

4.まとめ:歯周病や虫歯の予防が糖尿病を始めとした全身の健康に関与する

糖尿病と歯周病は相互に関係しています。
それはインスリンの働きによる影響もありますが、歯周病や虫歯でお口の中の環境が悪くなると食べるものも柔らかいものであったり、栄養が偏ってきます。
また、十分に咀嚼できないので消化器に負担がかかったり栄養の吸収が十分に行われないといった影響が出てきます。

歯科医院で歯周病や虫歯治療をしてメインテナンスに通うことで、糖尿病・高血圧・高脂血症・動脈硬化などいわゆる生活習慣病の予防に繋がります。

何歳になっても食事を美味しくなんでも食べられるのは、人生においてとても大切なことです。
令和6年(2024年)4月に新規開院します、東海市加木屋町の「みやしまデンタルクリニック」では、おひとりお一人に合わせたブラッシングや歯科との関わり方をご提案いたしますので、ご興味のある方はぜひよろしくお願いいたします。

 

参考文献:知って得した!歯周病治療に活かせるエビデンス クインテッセンス出版株式